スキルも知識もゼロの新人が「RPA使い」になれたワケ (2)

前回のブログで、「RPA極力使いたくない人間」を卒業したわけですが、今回は、そこからどのようにしてRPA技術を自分の武器にしたかについて、お伝えしたいと思います。


「使ってもらえるシステムを作りたい!」でスキルは磨かれる

RPAと上手く付き合い始めた私は、それまでとは打って変わって「この業務はRPAシステムに置き換えられないかな…どうやれば構築できるかな」と何かとRPAを絡めて、できることがないかを考えるようになりました。単純すぎて自分でも笑ってしまいますが、作れるようになると作りたくなってしまうものです。

この作りたいという気持ちを持つようになったことは、間違いなく私にとって大きな転機でした。でも単純に「作りたいから作る」のではなく、自分以外のユーザーに使ってもらえるシステムを作りたいからこそ、必死になって開発に取り組み、その結果として「RPA使い」の今があるのではないかと思います。

自作のシステムを、自分のみで使うなら、システムの動きを熟知しているので、バグが発生しないようにコントロールできますし、もしバグが発生しても、「適当なタイミングで直そう」くらいの心持ちでいれたりします。多少使い勝手が悪くても「ひとまず使えるし、これでいいや」で満足してしまいがちなわけです。一方、自分以外にもユーザーがいる場合はそうもいきません。容赦なく「使いにくい」と言われ、バグが発生すれば、「どうしたらいい?なんとかしてくれ」と対応を求められ、早くなんとかせねば!とも思います。悲しいことに、バグが発生するものだと思われることで、ユーザーに「使わないほうがいいシステム」として認識されることだってあるかもしれません。でも、そういったユーザーの反応や意見が、自分が開発したシステムが受けるべき評価であり、その評価をしっかり受け止めることが、スキルを磨くことに繋がるのではないかと思います。

私の場合、RPAシステムの開発を通じてマクロも組めるようになり(物はいいようですね)、色々なシステムを開発したものの、ユーザーの反応がイマイチということが、ままありました。それは開発スキルを一気に習得したのはいいものの、RPAやExcel関数・マクロ、それぞれに任せるべき処理の幅をきちんと理解できていないがために、しっちゃかめっちゃかなシステムを作っていたからでした。

今でこそ、「Excel内の処理はExcelに任せるとして、ここからはやっぱRPAだな」、「マクロでもできるけどRPAのほうが処理は安定するかな」と考えるようになりましたが、ただでさえ「とりあえず動いてくれればOK」精神全開の素人エンジニアの私が、このユーザーのイマイチな反応なくして、「使ってもらえるシステムにしよう」と必死になることはなかったと思います。

最近は、現状のスキルではユーザーの要望に応えるのが難しいと感じることも増えてきたので、開発するシステムの幅を広げるべく、Pythonや他のノーコード、ローコードツールにも触れるようになりました。また、私と同じような開発未経験の「エンジニア-to-be」が活躍するためにできることはないかなと、今までとは違う視点からも自分のスキルを見つめ直すようになり、またひと皮むける予感がしており、ちょっとワクワクしています。

とにかくがむしゃらにもがく

入金管理、入社処理、請求書管理・発行…などなど、私がこれまでRPAやマクロで開発したシステムはたったの2年程度で25個ほどにもなります。既存のシステムを導入せず、素人エンジニアが開発したシステムをこの数利用している会社は、そう多くはないのではないのでしょうか。

入社して以来、上司から言われて一番印象に残っているのが「(失敗しても)着地すればいいんだよ」という言葉。「使ってもらえるシステムの完成」が着地だとすると、そこに行くまでに、もがき続けることになりますが、そのもがきは成長に繋がるし、素人エンジニアは成長が0→1だからこそ、一層その成長を噛みしめ、楽しめる機会が多くあるのではないかと思います。

PrimalG内で「RPA使い」として認知される存在になった私ですが、まだまだもがき、成長していきたいと思います。