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最前線で働くことが大好きだった私が、会社を背負うCEOになるまで②

マネージャー時代とロボフィス立ち上げ

リーダーになって初めて持った部下は2名でした。新入社員1名と年上の女性社員でした。

自分自身、できないことをできるようになるために物量を頑張るタイプだったので、それが部下もできるように、年上の女性社員にも何も考えずにできないことを指摘していたら大撃沈。

早々に別チームに異動していきました。

今は別の会社で立派に社長をしていますので、私の指導が悪かったことは言うまでもありません。

個人としては成長したけれど、マネージャーとして課題がある、という点では所属する組織を変えたところで、私が私であることが変わらない限り、逃げられないんだな…と痛感しました。


一方で、毎日必ず1時間以上フィードバックミーティングをしていた新入社員はかなり私の力となり動いてくれるようになり、下手なりに一人一人、時間と誠意を傾ければついてきてくれることもわかりました。

採用活動も進み、部下が常に10名程度いるチームになりました。相変わらずマネジメント面では失敗もありました。


ずっとチームの力になってくれていた新入社員は、他のメンバーに気を取られて指摘をあまりできずにいると、元々のセルフマネジメントの甘さが際立ち、調子に乗り自滅していきました。

優秀な社員に早々にチームを持たせて独立した案件で稼働させると、実は仕事のできないチームメンバーの分の仕事まですべて巻き取って仕事をしており、それに気づかなかったことが原因で優秀な社員の方が辞めてしまいました。

その度に気づきがあり、マネジメントとして「これはしてはいけないリスト」「これはしなければいけないリスト」が増えていき、徐々に10名程度のメンバーを束ねていけるようにはなりましたが、

一方でメンバーが辞める度に傷つき、会社のせいにしたくなる自分と、自分のせいだと気づいている自分の中で葛藤し疲れていきました。


また、コンサルタントとしての立場についても思うところが増えてきました。コンサルタントとして精一杯調査・分析・検討を重ねて「この事業はこうするのがよいと思う」というご意見は言えても最終決定者はお客様です。

もちろん自分を信頼いただき、お客様に自分の案をなるべく採用いただく(そして信頼を実感する)というのもコンサルタントの醍醐味ではあるのですが、事業の根本となる価値部分でのお客様の判断と自分の判断が異なった時、自分の案でやってみたらどうなるのだろう?最終判断も自分でやりたいな…という思いがむくむくと育ってきていました。


精神的な疲労と最終判断を自分でやりたいという思いが重なり、「事業会社に転職しようかな…?大好きな音楽業界とかどうかな…?」と思い、若干情緒不安定ながら日々忙しく仕事をしていました。

そんな中、突如RPAというものと出会います。


2018年のことです。当時入社したばかりの渡邊旬と行っていたコールセンターの業務改善プロジェクトで、AIというほど判断はいらないが定型業務を繰り返し行う必要のある業務があり、改善方法の一つとしてRPAを見つけたのです。


当時、コンサル案件でAIチャットボットやAIを用いたVOCシステム等の案件を多数手がけており、当時のAIの精度があまり高くないことにイライラしていた私は、定型業務に限られるけれど、とにかくすぐにいらない業務をなくせる、しかもノーコードで、というRPAの魅力に心底惹かれました。また、ちょうど安部内閣が「働き方改革」を提唱しておりRPAも盛り上がりはじめ「ぎりぎり最後発でこの波に乗れるのでは?」と考えました。


この前に立ち上げようとして失敗していた社内新規事業の学生事業では、学生自体の市場が非常に狭いことが敗因だったので、それと異なり対象となる市場が広いところも魅力でした。

RPAで一旗揚げてみて無理だったらその時に進退を考えよう・・・!

そう思って前に進んでみることにしました。


パートナーと理念を体現してくれる社員

ロボフィスの成長に欠かせなかったのが「パートナー」と「理念を体現してくれる社員」の存在です。

RPAに取り組む旨をプライマルの全体会議で発表したところ、ある企業に常駐している社員から「どうやらその企業もRPA事業を始めるらしい」と話を聞き、すぐに打ち合わせをセッティングしました。

誰もが知る大企業でしたので、我々のように業務提携したい企業は山のようにいるだろうことが推察できました。


ただ、「まずはどこよりも目立って、この細い細い糸を絶対につなごう…」と思いました。

最初に締結したNDAの契約確認のメールは5分以内に返信しました。徹底してパートナー企業の足りないピースを埋めに行く、というのも体現しました。広島にRPA支援企業がないと聞き、すぐに広島に社宅を借り、渡邊が移住しました。


また、パートナー企業自体のRPA事業立ち上げが成功するように私も一緒にパートナー社内に常駐してビジネスを立ち上げていき、パートナー企業ができないところを見つけては、すぐに我々の仕事にしました。

パートナー企業と一緒に営業している中で、一定受注できそうな顧客が見えてきて「これはいけるのではないか」と思えるようになってきました。


そのころには会社名を決め・ロゴを決め、「ロボフィス株式会社」が立ち上がっていました。

代表はグループの代表の森上にやってもらい、私と渡邊が取締役になりました。

渡邊は「新規事業コンサルティング会社としてのプライマルに入ったばかりなのに…

こんな責任を負う立場になりやることも変わってしまうけどいいのかな…?」という私の心配をよそに、会社を立ち上げる話と取締役の話をすると「中々ない機会なので。ぜひ。」と二つ返事でその場で決断してくれました。


ビジネスが拡大の兆しを見せるのと同時に組織も大きくなっていきました。

プライマルの「さとまりチーム」からロボフィスについてきてくれるメンバーもいました。

何の援助も育成もできない中で、各エリアで試行錯誤して組織を拡大してくれたメンバーには敬意と感謝しかありません。不思議なことに「お客様の根本課題を、寄り添って解決する」という理念・精神だけは、当時のメンバーのみならず、今もなお、体現してくれるロボフィス社員が多いと実感することが多く、十分な育成ができているとは言えない中、本当にありがたいことですし誇りだとも思っています。


最近の動きと代表就任への思い

2022年8月期から、中心としてきたRPA事業から軸足を「DX」の範囲まで広げていこうという取り組みを始めています。

また、人数の拡大に伴い、ボトムアップで多数のマネージャー層・リーダー層を増やす試みもしました。

ボトムアップで押しあがってくれた社員が競い合い、売上面・組織拡大面でも大きく成長した1年とすることができました。

2023年8月期より渡邊と私で代表を務めることになりました。

二人!?ということで驚かれる方もいるかと思いますが、”他と一緒”が嫌いな私としても珍しいのは嬉しいですし、何事にもチャレンジしたいプライマルとしても、複数代表はグループ内で初めてなので、いいチャレンジにしていきたいと思っています。


組織が大きくなるにつれ、創業当時の「とにかく色々頑張ってやろう!」から「中長期的に目標・方向性を持ってやっていこう!」に変化しなければいけない時期が来ていると感じています。

今年度は中期事業計画を立て、逆算で年度目標などたてていきたいですね。

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