一人で事業を立ち上げる限界
学生時代は所属していた大学研究室の教授に影響を受け、自分でビジネスを立ち上げる、いわゆる”起業”を志していました。
大学院を卒業してすぐ起業したものの、なかなか軌道に乗らず苦しい思いをしたものです。
自分一人の力で世界に価値を届けられると思い、独学ながらITスキルを身に着けてWebアプリケーションを開発して発信していくという選択をしました。
しかし、日々、一人でアプリケーションを企画しプログラミングをし続けてリリースする、という繰り返しの中で自分だけでできることの限界と孤独感をひしひし感じていました。
ただプログラミングをすること、自分だけで面白いと思うもの作り続けるだけではビジネスにはならないと、遠回りながら気づきました。
そこで自分の実力不足を補うため、まずコンサルティングの資格を取得し企業の経営支援を行なっていました。
その活動の中でビジネス面から人々を支えることの楽しさを知ることができました。 ビジネスにおけるサポートの中でも特に、自分が志していた“新しいことに取り組もう”としている人や企業に関わることができる仕事はないかと探していた所、新規事業プロデュースに特化したプライマルを見つけました。
面接の中でも成長
プライマルの求人へ応募し、後に上司になる先輩社員に面接いただきました。
会話のやり取りの中で、新規事業立ち上げるために大切なことを自然と納得できるように伝えていただいたように思います。
頭でっかちになりすぎず顧客の声を聞くこと、ビジネスアイディアは検証の中で磨いていくこと、様々なことを短い間で自然と染み込むように教えてもらいました。
面接の中で、「隣の飲食店の売上を上げる施策を提示してください」という問いかけがありました。
私は「ヒアリングしてきてもよいですか」と了承を取り、そのお店の店員に話しかけに行きました。
するとお店のマネージャも登場し、お店の状況をいろいろ教えてくれました。
私自身、どちらかと言えば机上で考える人間です。
しかし、面接の中で価値観がブラッシュアップされた結果、足が動き行動できたことに自分で驚きました。
面接の中でさえ成長を感じさせてくれる会社だとどれだけのことができるのだろうかとプライマルへの入社を決めました。
炎上してチームのありがたみを知る
入社後はIT知見を強みとして、オンライン教育プラットフォームの開発PM、通信施工事業の新規事業企画、介護向けプロダクトの企画・開発支援などに従事しました。
クライアントの新規事業プロデュースに加えて、自社でもプロダクトを製作して販売する試みもしていました。
セキュリティに関連するツールをいくつか開発してクライアントへ営業し導入してもらう一連の工程をチームメンバーとともにおこなっていました。
初めて導入が決まった商談では、先輩社員と祝杯のアイス(真夏だったので)を一緒に食べたことを覚えています。
ただ、全てが上手くいったわけではありませんでした。
あるプロダクトでは仕様の不備が見つかってクライアントが期待する価値を提供できずにお叱りを受けたこともあります。
事態を収束させるために、土日も返上で作業を続けました。
この作業には、同僚や役員も土日に来てくれて一緒におこなっていました。
土日返上の作業の甲斐もあり、クライアントにはなんとか納得いただき事なきを得ました。
一人でやっていたら心が折れていたことでしょう。
炎上を通じて改めてチームのありがたみを知った出来事となりました。
エンジニアも外に出よう
一般的にエンジニアは社内にこもりがちですが、外に出て現場に触れ合う経験はビジネスと技術を繋げるという観点で成長させてくれます。
介護系のプロダクト企画・開発の案件では、この業界・現場が何に困っているのかを認識するところからスタートしました。 机上での調査は前提として実施しますが、やはり顔が見えてこない。
私は介護施設を数百件ピックアップして片っ端から電話をかけて話を聞かせてもらえないかを聞いて回りました。 だいたい断られるのですが、ごくたまに「うちの施設で話をしませんか」と返してくれる方もいました。
実際に訪問して現場を見て生声を聞くことで、何が困っていることなのか・解決すべきなのかリアルに考えられるようになりました。 エンジニア気質の人間には特に負荷のかかる活動ですが、私はビジネスと技術をつなぐ役割としてやってよかったなと心から思います。
新規事業に関わるエンジニアはぜひとも社外に出て現場の声を聞く、という経験をしてみてください。
新規事業の技術とビジネスをつなぐ
私の経験や知識は、主に技術的な部分に偏っていましたが、さまざまなプロジェクトやチームでの経験を経て、ビジネスと技術の橋渡しとしての役割を果たすことが多くなりました。
私が自主的に学び取った知識や技術を活かしつつ、チームと連携して新しい事業を立ち上げ、それを技術面から支えることは、私にとって非常にやりがいのある仕事でした。
新しい技術やトレンドを取り入れることの重要性を理解しつつも、それをどのようにビジネスに落とし込むか、どのようにしてユーザーに価値を提供するかという視点を持つことが、新しい事業の成功の鍵となると思っています。
私はこれからもこの視点を忘れず、技術とビジネスの間に立ち、双方を高め合う存在として活動をCTOという立場から推進できればと思っています。
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