短期間で事業化を目指したい
クライアントであるZ社は、長きにわたってOEM事業を手掛けてきましたが、事業の成長の限界が見え始めていたため焦りを感じていました。そこで、自社技術を応用した新規事業立ち上げを目指すことにしました。その技術とは国内有数と称されるVR開発技術で、他社ITコンサルティング会社の支援もあり、技術面でのブラッシュアップや実証実験は順調に進み、プロダクトは完成していきました。
その一方で、ビジネス化のプランニングの進みはあまり芳しいものではありませんでした。Z社としては、なんとかこのプロダクトを売れるものにするべく、また短期間でビジネス化を達成する強い意向があり、新規事業の実行経験とプランニングの実績が豊富なプライマルに依頼を頂きました。
課題の発見も、解決も、すべてハッチング
当初は、従来のOEMモデルを前提としたBtoC戦略を立てていました。しかし、ちょうど強力な競合商品が登場したことにより、その戦略を抜本的に見直さざるを得なくなりました。
そこで、マージンが高い自社ブランドを打ち出すために、本格的に市場を狙っているメーカーが少ないBtoB領域にて地盤を固めていくことにしました。
戦略が決まれば、ハッチング(≒事業検証)を徹底していくのみです。ターゲット業界の企業にひたすらアポイントをとり続けましたが、企業の反応はイマイチの連続。進めていく中で導き出されたのは、現状のプロダクトの提供だけではBtoB領域でニーズがないということ。そこで、今度は当時BtoB領域では例がない、ソリューション売りへと、またもや戦略を変更することになりました。また、ソリューションの幅を広げるために、当初予定のなかった新たなパートナー開拓も並行して行っていくことに。すると徐々に、成立するディール数は伸びました。
さらにいくつかの成功ディールを業界ごとに刺さるソリューションへ型化し展開をしていくことで、年間で数万台ロットのセールスを短期間で確立することを達成しました。
現実との摩擦こそ、必要であり重要
プロダクトがどんなに素晴らしいものであったとしても、売れなければビジネスは成立しません。そして、売れるかどうかは、現実と向き合うハッチングを通してでしか分からないのです。新規事業の立ち上げにおいて、ハッチングを少しずつ重ねて土台を作る(≒ビジネスモデルを磨く)ことは、非常に重要なのです。
※この記事は秘密保持のため一部フィクションが含まれています
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