新規事業のアイデア出しは難しくない



事業アイデアがなかなか出てこない


東証一部上場の化学メーカーであるX社は、自社技術を活用した新規事業立ち上げを検討していましたが、既存の製品の改善にとどまるアイデアしか出てこない状況が続いていました。

そんな状況を打破するべく、新規事業開発研修を通じた社員のフォローアップから、実際の事業化までの支援の依頼を頂きました。




「アイデア出し」にこだわりすぎない


X社にヒアリングしてみたところ、たしかにすでに世の中に存在するアイデアに近しいものが目立ちました。

聞くと、他社の成功事例を収集・分析して、自社に当てこんで考えているものがほとんどでした。

新規事業の展開に成功し、差をつけられつつあった競合の存在も大きく影響していたのでしょう。

結果的に、アイデアを考える視点が小さな技術的差異ばかりにフォーカスされすぎてしまっていたのです。


そこで、フォローアップ研修はアイデア抽出支援も兼ねた内容で進めることになりました。

他社の成功事例が自社にとって必ずしも正解とは限らない、ということを念頭においてもらい、発想を大きく転換して、狭くなりすぎた視野を広げられるよう、いろいろな提案をしました。

そのなかでも成果に結びついたのは、環境変化から事業を考えること、でした。

環境が変わることによるニーズの変化というワンクッションを置いて、新規事業のアイデアを模索しようという試みでした。




「仮説」から生まれたアイデアが見事に事業化


この研修では、「20年後に地球の平均気温が2℃上昇したとき、世界はどうなるのか」という前提をおいて、各業界におけるニーズ仮説を立てることからスタートすることなりました。

実現可能性などは度外視して、まずは考えられるだけの仮説を並べたところ、約1000個もの案が集まり、そこからニーズの高さや市場の規模の観点から、事業化の可能性を考慮して100個ほどが残ることになりました。そして、自社技術という強みを活用しての事業立ち上げであることから、各競合や市場の動きを絡めたうえで、より詳細を詰めた事業仮説として3個まで絞りこみました。


それらの仮説をX社の社長に提案してみたところ、今までの新規事業アイデアとは全く違った角度で考えられていることもあり、反応がまるで違いました。最終的に、X社としては全く踏み込んだことない、ヘルスケア分野における事業仮説が採用され、事業化にも見事成功しました。

新たな分野にて事業の可能性を見出したことは、競合との差を縮めるだけでなく、違った視点からも会社を認知してもらうきっかけにもなり、X社にとって大きなプラスとなりました。


※この記事は秘密保持のため一部フィクションが含まれています