新規事業を立ち上げたいのに、立ち上げられなかった
私は新卒で小売業界の大企業に入り、店舗店長から本部マーケティングを経験後、マーケティング企画の面白さに惹かれ、大手総合広告代理店へ転職しました。
大手総合広告代理店では、広告が市場にもたらすインパクトにやりがいを感じつつも、「広告の限界」に直面することが多々ありました。 私はエンドユーザーのニーズに応えるような広告制作の意識が強いので、エンドユーザーの情報をSNS・アンケート・直接ヒアリングによって生声として拾い、顧客に提案することを強みとしていました。
顧客へ自身が収集した生声を提案する中で、“あなたがもってきたエンドユーザーの生声を開発段階で反映したかった。”といったコメントをもらうことが多くなりました。
そこから、“もっと商品・サービスの立ち上がりや開発の段階から携わりたい”と考えることが多くなり、会社として新しい稼ぎ方の創出を謳い始めていたこともあり、社内で新規事業チームに積極的に携わりました。
しかし、すぐに落胆してしまいました。「アイディアはあるのに、どう進めれば良いのかわからなかった」のです。
やり方はもちろん誰も教えてくれませんし、また大企業特有の社内政治や既存事業の仕事がある中で仲間を集めることの難しさによって、長期戦を強いられる状況でした。
そこで「新しい稼ぎ方を提唱し始めている企業は多い。しかし、やり方がわからず、仲間がいなくて苦しんでいる人たちもいるはず。そこで自分が新規事業を立ち上げられる人になって、自分のアイディアで新規事業を立ち上げることはもちろん、色々な企業の社内新規事業の立ち上げをサポートしたい」と強く思いました。
そんな中、プライマルに出会い、入社を決意しました。
「一寸先は闇」が新規事業
入社した当初は、大企業体質が抜けず、情報は周り・上司からもらえるものだという姿勢でいました。
前職では比較的、自分から情報を取りに行くタイプでしたが、比較にならないほど受け身であることに気づかされました。
「一寸先は闇」が新規事業だから既存のレールはない。
情報を取りに行くための正攻法はないのに、失敗することがどこか怖くて、何が正解かを頭で考えるも答えが出ず、誰も教えてくれない状況に苦しんでいました。顧客の期待値に応えられていないと思うばかりで、自分の存在価値を疑う日々でした。
その時に「なんで転職したんだっけ?」と思い返すと、自分は新規事業において顧客と伴走できる人になりたいと覚悟を決めて転職という行動をしたのに、頭で悩むばかりで行動しきれていない自分に気付かされました。
顧客だって失敗するのが怖い中、一寸先は闇の中で手探りで進もうとしているのに、私が二の足を踏んでどうするのだと、自分への憤りを覚えました。
一寸先は闇の新規事業の中で私が顧客に対してできることはなんだろうか?と考えた結果、2つの行動を実施することを決めました。
顧客より先に失敗し怪我をすること
サービスのエンドユーザーの生声を拾って、顧客に情報提供すること
そこから、毎日自分の足で一都三県を駆けずり回り、顧客のサービスを販売しながらエンドユーザーの生声を収集しにいきました。
サービスに対して、どんなエンドユーザーが当たりやすいのかを網羅的にあたり、ターゲットになりうるエンドユーザーとそうでないエンドユーザーを分けて顧客に提示しました。
また、サービス販売手法の型も作り、顧客に対して販売手法を伝授する勉強会を実施しました。
始めは自分に何ができるかわからず、自分の存在価値に悩んでいたのですが、今では顧客から“あなたはなくてはならない存在”と嬉しいコメントを貰えるようになりました。
とにかく行動。無駄打ちは当たり前
既存の正攻法がないのが新規事業で、失敗しないように案件進行するのは無理だと思います。
A・B・Cの道があったらどれが正解なんて初めからわかるわけがないので、とにかく仮説を立てて確率の高い順に「やってみるしかない」のです。
Aをやって失敗するかもしれない、Bをやったら無駄打ちに終わるかもしれない。でもAをやって失敗したからこそ、顧客に対して「Aは違うと思います。なぜなら・・・」と胸張って言えるわけです。
情報を待つだけの受け身では、ずっと存在価値がない状態が続いていたと思います。
後半に続く、、、
後半:
Comments