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会社経営者になる為に選んだ道

会社経営者になる為に選んだ道

2-3年でダメな会社を立て直して一旗上げてやろう。

大学を卒業したての生意気な私は意気込んでいました。

そんな意気込みも虚しく、半年後には自分の力の無さを痛感することになるのですが、その前に私の育って来た環境について少し話をさせてください。


祖父の代から地方で卸売業を営んでいる家庭に生まれ、小学校の頃から周囲の大人からは「将来は後継ぎになるんだね」、「大きくなったらよろしくね」なんて言われながら育ちました。

そんな環境にもあったため、会社の経営ということには幼い頃から興味を持っていたのですが、ワガママにも実家で扱っている商品には興味を持つことができず、「ITや機械の分野で活躍したい」という気持ちをなんとなく持っていました。


そして、大学3年の就職活動を迎えることになるのですが、この頃にもまだ悩んでいました。

「自身の好みには目を瞑り親の会社を継ぐべきか、自身のやりたいことを選択するべきか」

悩みながらも色々な会社の説明を受け、色々な人からの意見ももらった結果、自分の中に一つ道が見えてきました。


「会社の経営はいずれにしてもやりたい。だから一度親の会社を継いで、その会社の中で新しい事業を展開しながら自分のやりたいことに近づけていこう。」

今振り返ると、この瞬間が私と新規事業との関わりのスタートであったと思います。


そう決心が決まった時に、私が進むべき進路は1つしかないと固まりました。

外部から様々な企業が見える銀行やコンサルでもなく、新進気鋭のベンチャー企業でも、安定した大手企業でもなく、実家の稼業の業界と同等、またはそれ以上に衰退が激しい業界において、抗って生き延びようともがいている会社に入り、そこで会社の立て直しと新規事業立ち上げを行うこと

これが自分が真っ先に経験すべきことだと考えました。


衰退している業界をリサーチし、最も衰退が激しく、実家の稼業にも近い業界を探していくと、着物業界がピッタリだということがわかりました。

私のような学生が珍しかったこともあり、応募をするとすぐに採用が決まり、狙い通り着物業界の中で新規事業を立ち上げるということにも挑戦させてもらえることとなりました。

就職するところまでは順調に進んだのですが、ここからが大きな挫折の始まりとなります。


頭ではわかっていても踏み出すことができない

着物業界で新規事業を立ち上げようと意気込むのは良いものの、進め方がわからない。

着物業界のこともわからないし、社内のこともわからない、新規事業の進め方もわからない。

とりあえず着物のことと、社内にどんなリソースがあるのかは勉強しようということで、社内の先輩達に話しかけてみるものの、それだけで緊張してしまう。

こんなことで新規事業を本当に立ち上げられるのか?と入社早々に不安になったことを覚えています。


しかしながら少しずつ社内のことも理解できてきて、着物の製造方法、顧客への販売方法、誰に協力してもらうべきか といったことも見えてきました。

新規事業のターゲットとするべき人も少しずつ見えてきて、訪日外国人をターゲットとすべきか、普段から着物を着慣れている方々にさらに上乗せして使っていただくか、といった大まかな方向性とアイデアが浮かんでくるようになりました。

(ここまでで4-5ヶ月程かかっています。)


アイデアが浮かんできたことで、様々なアイデアを社長やマネージャー陣に当てていくのですが、

・「それは本当に売れるのか?」

・「どうやってそれを効率的に製造するのか」

・「うちの会社にそんなリソースはない」

・「上手くいかなかった時に責任が取れるのか?」

・「過去にやってそれはもう失敗している。どうせ失敗するよ」

といったツッコミに対して、答え切ることができずに何も進まない という日々が続いていきます。

「やってみなければわからない。」というのが私の中での反論だったのですが、話すことが得意ではなかった自分では上手く伝えきる自信がありませんでした。


「やってみます。そのためにこれだけのリソース、期間が必要です。私に任せてください。」

という発言をする勇気と、自信の持てるアイデアもなく、中身のない机上のアイデアを当て続けることしかできませんでした。

ここまでで7ヶ月程が経過し、調べたり、考えたりするだけでは新規事業は進まないということは身をもって体感し、何か行動を起こして試してみないといけないことは理解しているのですが、どう行動して良いかわからない。怖い。そんな状態でした。


営業も、パートナー企業との交渉もしたことも見たこともなく、必要性はわかっていても踏み出すことができない。

「自分ではできないから助けてください。」とでも言えればまだましだったのですが、それすらもいうことができず、ただただ時間を浪費していました。


プライマルとの出会い

入社して9ヶ月。

振り返ってみて自分が立てた売り上げはゼロ、なにか検証してわかったことがあればせめてもの救いだったのですが、何も行動していないから、ネットで調べれば誰でも思いつくことしか残っていない。

自分に身についたスキルも何もない。

新規事業を進める際の苦悩、 それだけが残りました。


「周りもやる気のない大人ばかり、最初から諦めている。」

自分が望んで入った環境にも関わらず、周囲のせいにまでし始めてしまいました。

本来はこの人たちを鼓舞して活躍させられなければいけない。でも今の自分では到底それができる兆しが見えない。

このままここに居続けてもいつか成功できるかもしれないが、それでは自分の人生計画で立てていたスケジュールから大きく遅れてしまう。

衰退する業界で新規事業を立ち上げる難しさ、先行きが暗い中で周囲の人に希望を持たせ活発に動いてもらうことの難しさ、それはわかった。わかった上で解決するスキルがない。

今度はそれを学ぶ必要があるが、ここで働き続けると自分で編み出さないといけない。

新規事業という領域でもっとスキルのある人たちに囲まれて、これらの環境を打破するための仕事のスキルを今度は身に付けよう。


このような葛藤を経て、転職することを決意しました。

転職活動を始めてからは、複数事業を立ち上げているベンチャー企業を見ており、

コンサル業界は選択肢になかったのですが、ある転職エージェントから

「中川さんに絶対に合う会社がある。コンサル業界だけど、この会社なら合うと思うから一度説明会に行って欲しい。」と言われた会社がありました。

そこで紹介されたのがプライマルだったのですが、実際に説明会に行ってみて、なぜ「中川さんに合うと思う。」と言われたのかよく理解できました。


・コンサルだが自分たち自身でもリスクを取って自社新規事業立ち上げを行なっていること

・新規事業立ち上げには理論も大切だが、仮説検証が何より大切で、そのためには行動する必要があると考えていること

・理論だけではないからこそ、実行支援まで行なっており、新規事業の現場で自分の理論と行動力を磨くことができる環境があること

上記の特徴がまさに自分にはフィットしました。

特に、親を含む周囲の経営者から「コンサルなんてクソだ。他人のふんどしでしかビジネスができない奴がやる仕事だ。」と就活時代に散々聞かされた私にとっては、自分たち自身で新規事業に取り組むプライマルの「新規事業」に対する真摯さが刺さり、この会社しかないと感じました。


選考が進み、面接の中で新規事業の進め方について議論することがあったのですが、その議論を通して、「着物事業で自分が悩んでいたことがこの人たちと一緒なら乗り越えられた。」と感じると同時に、「まだまだ自分でできることがあった。今からでも転職をやめて着物事業でもっと試すべきじゃないか?」と考えさせられるような刺激的な内容でした。

つづく。

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